🐧ナルミ記
大学構内をせかせかと歩いていたんです。
なんとなく、誰でも挨拶を交わすのが通例になっている音楽棟の入口前の憩いスペースに差しかかり、いつものように大学生たちと
「こんにちは!こんにちは!おはようございます!こんにちは!」
なんて交わしてたら、呼びかけられました
「なるみせんせい!」って!
どきっ。
見事今春から大学生になったかつての教え子でした。素敵な素敵な女子大生になっていて一瞬気づかなかったくらい。
その後も、わたしはせかせか歩きながら、日毎年毎紡いできた時間や紡いでいく時間のことを考えていました。
せかせかしていたので大した考えにもならなかったけれど、ただ
(おとなになるって自由だー)
って。
自由には責任が伴うよって話とまるで変わりばえしないのだけど、でも、なんかそんなことを自分自身にあらためて味わわせてみたくなったのでした。
きっとわたしは自由に向かってきたのだもの、いいぞ、いいぞ、なかなかいいぞ、って。
(こっそりのぞいた窓辺から激写した夕刻の王様。ねこ氏)